読書:ハローサマー、グッドバイ

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ハローサマー、グッドバイ (河出文庫) [文庫] マイクル・コーニイ (著), 山岸真 (翻訳)

夏休暇をすごすため、政府高官の息子ドローヴは港町パラークシを訪れ、宿屋の少女ブラウンアイズと念願の再会をはたす。粘流が到来し、戦争の影がしだいに町を覆いゆくなか、愛を深める少年と少女。だが壮大な機密計画がふたりを分かつ…少年の忘れえぬひと夏を描いた、SF史上屈指の青春恋愛小説、待望の完全新訳版。 引用元:amazon

なかなかに読書欲をかきたてる解説です。装画もいい。

ハードSFを一休みして、ちょっとほっこりしたのがまた読みたい気分だったので手にとってみました。うん、なかなか面白かった。

地球とよく似た地球では無い惑星に住む、地球人とよく似た異星人たちの物語です。文明レベルは地球で言う19世紀中~後半とのことで、未来的な科学技術うんぬんという話ではなく、生態系や気候、異星に住む生物、寒さに対する特性などにSFネタが仕込まれています。

仕込みは綿密で伏線があとから効いてきて面白い。山岸さんの訳は渋めだが、読みやすのでわりとさくさく読み進められると思います。

ただ、せっかくの異星生物や、寒さに恐怖を抱く特性、気候などの描写がちょいと物足りなく感じました。SFとしての掘り下げが浅い。特に「ロリン」は想像力を働かせる余地がありすぎるんじゃないかなぁ。SFと言うよりファンタジーに寄ってる気がする。

恋愛や戦争を背景にした人間ドラマという面で考えると、悪くはないけど、ツッコミどころもけっこうあるし、特筆するほどよい、というほどでもないんですよね。

ヒロインがなぜそんなに主人公が好きなのか共感できない(笑)。 キャラクター性は薄め。世界観の描写はさすがに時代性を感じるが(缶詰工場とか)、ストーリーはけっこう骨太で読み応えがある。にもかかわらず、ちょっと物足りなさを感じます。

ただ、この本は1975年に書かれ、日本では1980年に出版。その後廃刊となり、2008年に新たに復刊されています。古典の部類なんですよね。 自分が感じる物足りなさの多くは今時の小説の演出に慣れてしまっていることが大きいんだと思います。

では、まとめ。 あとがきにもありますが、本書はSFの分類ではあるけれど、恋愛小説であり、戦争小説です。故にSF小説の世界の入り口として考えると、わかりやすくてよみやすいし、適している作品だと思います。

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)
マイクル・コーニイ
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※余談ですが、いいタイミングで続編が刊行されてます。読みたいな~。積読を片付けたら読もうか。

パラークシの記憶 (河出文庫)
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