「ペンギン・ハイウェイ」アオヤマくんとお姉さんの物語。

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ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)
森見 登美彦
角川書店(角川グループパブリッシング) (2012-11-22)
売り上げランキング: 1,742

ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした―。少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。第31回日本SF大賞受賞作。
引用元:アマゾン

このところSF小説を読みすぎて、少々お腹がいっぱいになってきていまして(笑)、少しライトな小説を求めていました。ハードSFは面白いけどエネルギーを持っていかれます。

そんなタイミングの中、書店でこの「ペンギン・ハイウェイ」を発見。レトロな表紙絵がなんだか癒されます。ライトなイメージの森見登美彦さんはいつか読んでみたいと思っていた作家です。日本SF大賞受賞とのことでSF好きにも読みやすそうだったので読んでみました。結局またSFを読むことに(笑)。

「アオヤマくん」と「お姉さん」の物語。

主人公の小学四年生の「アオヤマくん」が、自分の街を中心とする小さな世界での大きな謎を追いかけていく物語です。同時に年上の「お姉さん」への淡いあこがれの気持ちがくすぐったい物語でもあります。

子供の世界は狭い。大人になれば知らない世界が広がっている。大人の目線ならそう思いそうなものですが、大人のあずかり知らない世界で子供たちはいろいろと考えているし出来事も起きている。そのことを大人になった自分はすっかり忘れています。

謎を通じで自分や友達や家族について、自分の街を越えた世界について、そしてお姉さんに対する気持ちに思いを巡らせるアオヤマくん。
未来に向かって希望を抱くアオヤマくん。
その一生懸命さがなんとも愛おしく感じられました。

アオヤマくんとお父さん。

ところでアオヤマくんはいつも助言をくれる頼れるお父さんがいますが、ラストシーンで決断を下す場面では出張のためそばにはいません。全てが終わった後、お父さんと淡々と語り合うシーンがありあます。

お父さんはアオヤマくんにとって大切な存在ではあるけれど、あくまで黒子の存在。子供に対して父親の役割の形のひとつが描かれているように感じました。

踏み込みすぎることなく、余地のある示唆を示すことができるお父さん。そんな風に子供と関係を築ける父はなかなか素敵ことだと思いました。

まとめ

「ペンギン・ハイウェイ」とてもおもしろかったです。切ない感じと、脱力する笑いと、哀しさのハーモニーが心地よい。好ましい世界観の物語でした。
森見さんの作品群は総じてこういう作風なのかな。であれば他の著作も興味深いです。機会をみつけて読んでみたいと思います。

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)
森見 登美彦
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