個人で執筆、企画、執筆・編集、制作も。電子書籍「Gene Mapper」に注目!

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Kindle日本発売&Kindleストアが開店し、個人的にもいよいよ電子書籍に興味を持ち始めました。
そこに来て面白いエントリーを発見。

電子書籍が切り開く個人出版の新たな地平~『Gene Mapper』作者・藤井太洋氏インタビュー~ (1/3)(BLOGOS編集部) – BLOGOS(ブロゴス)

『Gene Mapper (ジーン・マッパー)』 というSF小説が注目を集めている。この作品は、著者である藤井太洋氏が、企画から執筆・編集、各種フォーマットでの電子書籍制作、Webサイトの制作まで1人で行ったという。既存の出版社からの協力は一切なしの個人完結型の電子書籍出版ながら、一時はAmazonの紙の書籍を含めた「文学・評論」ジャンルで一位に躍り出るなど、従来では考えられなかった成果を上げている。
引用:BLOGOS(ブロゴス)

おお、なんというアーリーアダプタ!個人でここまでこなすとは。ぶっちぎりで先行してる感。SFだし300円のセール中。とても気になったので購入して読んでみるました。面白かった!

あらすじ:“生命すら設計できるその日、何を信じて未来の扉を開けばいいのだろう”

農作物の多くがメーカー製の「蒸留作物」に置き換えられつつある2037年。
作物の遺伝子をマークアップし、外観を設計するスタイルシート・デザイナー、林田のもとへ「ジャパニーズ・サラリーマン」を演じる黒川から調査依頼が入った。
カンボジアへ納品したスーパーライス、SR-06に描いたロゴが崩れ始めたというのだ。原因はコーディングのミス?アップデートの失敗?それとも……
原因を探るため、林田は「キタムラ」と名乗る人物に誘われ、2014年に封鎖されたインターネットが生きている街、ホーチミンへ飛ぶ。
フルスクラッチで作物を作れるほどの遺伝子工学、現実と見分けられないほどの拡張現実が当然のものとなった2037年。
たゆまなく前進する科学技術は人類の繁栄を約束するのか?
ハイスピード・ノベル「Gene Mapper」が問う。

引用:amazon Gene Mapper (ジーン・マッパー)

テーマはがちがちハードSF?と思いきや、遺伝子工学の知識が必要なわけではなかったです。ただ、WEBデザインやプログラミングにまつわる用語や、ITニュースサイト系の横文字が次々と出てきます。

例えばスタイルシート・デザイナーという造語が出てきますが、これはWEBデザインのスタイルシートから連想すると、装飾をするという行為、
つまり作中では作物の見た目をデザインするために遺伝子に手を加えるデザインの仕事を指す、と感覚的に理解できます。

自分はたまたまそれらの分野に関わりを持っていたので感覚的に意味がつかめたのですが、それらの分野に携さわらない人は理解できない部分があるかも。このあたりは作者にも意図があるようです。

『Gene Mapper』という作品は、”電子書籍が読める”以上のリテラシーがなければ、読めない内容なんですよ。言葉の選び方であり、スピード感も一定以上の知識を持った人でないと分からない部分がある。
〜中略〜
しかし、著者としては、やはりもっと多くの人に読んで欲しいんです。ただ、『Gene Mapper』を電子書籍で売っている間は、わざわざそこまで間口を広げて書く必要はないんですよね。それは紙の本という機会があった時に本腰を入れてやりたいと思っています。
引用:BLOGOS(ブロゴス)

電子書籍はまだまだ読者層が限られているのだから、間口を絞った分、未成熟な電子書籍リーダーでも快適に読めるような本として仕上げたという風にとれます。

歯切れの良くスピード感のある文体、説明不要なマニアックな楽しさは黎明期の電子書籍個人出版ならではの土壌で生まれてきたのではないでしょうか。

紙の書籍での展開、そしていよいよ電子書籍が一般化となれば、作品の作り方、売り方も変わってくると著者は言っています。

著者のプロフィールも出ていましたが、

藤井太洋氏(以下、藤井):私は現在、イーフロンティアという会社で、「Shade」という3DCGソフトの開発指揮などしているサラリーマンです。イーフロンティアで、様々な業務に2年単位くらいで携わってきましたが、執筆とは直接には関係のない仕事ばかりです。ただ、イーフロンティアは出版事業を手がけていた頃もあるので、実際に出版社が、どのようなビジネス感覚で、本を出しているのかを知る機会はありました。
〜中略〜
その後、社内で編集プロダクションを立ち上げるといったことがあったので、記事は書いていませんが編集業務も2年ほど経験があります。また、本を実際に売りに行ったことはないですけど、書店員のバイトをやったことはあります。

つまり、私は今までのキャリアで「出版」と言う事業における執筆以外の部分は、基本的にすべてやった経験があるのです(笑)。
引用:BLOGOS(ブロゴス)

かなり面白い経歴を持った人だなぁと思いました。執筆のみ経験がないと述べていますが、作品のアイデアはとても面白かったし楽しく読めました。ただ、人物の描写が足りないかなとは思いましたが、それも意図的なのかもしれません。

それにしても、Shadeに携わる人でしたか。昔遊んだことがあるので懐かしい。表紙のビジュアルも自分で作ったのかなぁ。

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