読書:「天冥の標VI 宿怨 PART2」戦いの狼煙が上がった!蔑まれる者の反抗のとき!

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天冥の標6 宿怨 PART 2 (ハヤカワ文庫JA)

PART1で動き始めた蔑まれる者「救世群」が戦いの狼煙を上げる!動乱の始まり…。

小川一水・著「天冥の標6 PART2」読みました!今回も圧倒的な面白さです。なるべく控えますが、多少のネタばれ含みますのでご注意ください。

大まかなあらすじ

疫病「冥王斑」罹患による差別、迫害を受け続ける共同体「救世群=プラクティス」が「力」を得て、自分たちを蔑む「健常な人類」たちに戦争を仕掛けます。

プラクティスのリーダーの娘、イサリ・ヤヒロはかつて出会った疫病に罹患していない少年、アイネイア・セアキたちとの友情に揺れながら、戦いに身を投じていきます。

一方で、人類初の恒星間航行に挑むジニ号に搭乗する予定のアイネイア・セアキに異変が…。

プラクティスに「力」を与えた「穏健なる者・カルミアン」とは…?

つながる物語り

疫病を患い小さな生産力しか持たないプラクティスが、どのようにして人類に対して戦いを挑む力を身につけるのか、これは前巻から伏線があります。

言ってしまうと異星人の力を借りた、ということなんですが、異星人はなぜ人類圏にやって来たのか、どんな文明、技術力があるのか、なぜ異星人はプラクティスに力を貸したのか、設定が深いです!また、背後には異星人(地球以外の生命)は他にも居る、存在し得る理由があり、そのことが物語りに奥行きを与えているように思います。

宇宙戦闘艦の描写や、「クラスト」兵士の白兵戦などは、前巻から積み重ねた伏線が効いて白熱する展開です。

そして戦いの後プラクティスはどうなっていくのか、見どころがたくさんあります。

弱者の心理

ちょっと気になったのが、イサリ・ヤヒロの心理描写。プラクティスが「健常者」を憎んでいることは分かるのですが、イサリはアイネイア・セアキたちとの交流経験から平和を願うような気持ちもあるはずだし、そもそも15歳の女の子が戦い、人を殺すことへの抵抗感の描写が薄いように感じました。

病気や障害などでハンデを負うことは、ときに人の命を奪うことさえいとわないような絶望感を産み出すこともあるでしょうか。それが自分の属するコミュニティを支配するような場合にまで発展してしまったら…自分には想像がつきません。

テレビ越しの現実ですが、世界のどこかでテロや紛争が起き、少年兵が殺し合い、幼い子供が飢えや病気で命を落としています。また、かつてのハンセン病患者に対する扱いも惨いものだったと伝え聞きます。

ちょっとわき道に逸れましたが、天冥シリーズではそんな忘れてはいけない弱い立場の人たちの思いを大切にしているように思います。

PART3に…続くんです!

予定どおりなのか、終わらなかったのか(笑)なんと、PART3に続きます。まったくの予想外で思わず笑ってしまいました。「歴史」に従うなら、プラクティスは負けるのかもしれません。それは次のPART3で明らかになるでしょう。どのように「歴史」につながっていくのでしょうか。

ドロテアワットはどうなるのか?シェパード号はいつ出てくるのか?メニーメニーシープ後の人類圏はどうなるのか?期待です!

※注:時系列で並べると、現状は第一巻PART1,2が一番新しい歴史です。そこに一番近いのがこの第六巻PART1,2です。

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